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京都再発見コラム 再美京都 京都は日本の美と心の都。中島宗晧 田中直輔

京都は日本の美と心の都でした。
京都は今、その永い歴史と伝統を上手く活かしきれていないような気がします。
再び京都が、本来の文化創造の地として今を生きるためにも、
皆様の心粋(こころいき)を結集し、京都デザインを推進したいと思います。

京色九代男 其の一

2010
42

田中 直輔

創業享保18年(1733年)株式会社田中直染料店 九代目 田中直輔と申します。

中島宗晧氏とは、高校時代の同級生で30年来のお付き合いをさせていただいております。

京都で染料屋(染料店)は当たり前の業界なのですが、地方の方には珍しい商売のようで、初めてお会いした方にご説明申し上げても、次回お目にかかったときには「京都の呉服屋さん」「京都の染色屋さん」と記憶されている方がほとんどで、世間の広さを感じております。
そこで、最近はどなたにもご納得いただけるように次のようなご説明をいたしております。
「お料理をなさる方が、スーパーマーケットで肉・魚・野菜などの素材、味噌・醤油・砂糖などの調味料、食器・鍋・フライパンなどの道具を求められる」ように「染色をなさる方のために、生地・糸・縫製品などの素材、染料・薬品・洗浄剤などの化学品、筆・刷毛・染色タンクなどの道具を販売」しております。もちろん、草木染のための植物染料なども扱っております。
そんな、京都の染料屋からみた、染色についての個人的雑談を、ご紹介できればと思っております。

日々堪忍 其の九

2010
31

中島 宗晧

春一番も吹いて、やっと春が来ましたえって、人としゃべってたら、いけずな冬に気づかれてしもたみたいです。ついこないだ、奈良、神戸、京都とフラフラしてましたけど、京都が一番寒かったんです。

今回の京都は、秋の展覧会に向けて風呂敷作りのお勉強でした。
真っ黒な風呂敷に椿の花が目標です。これまで、椿は花ごと落ちるし、縁起悪いやなんて思てましたけど、実は魔除けやゆうて、小さい女の子の着物の模様にも好まれたそうです。けど、やっぱりお仏壇には挿さへん花やて聞いてましたし、それに、展覧会の会場がお仏壇のはせがわさんやし、いちいち説明せなあかんかと思たら・・・。まぁ、作品いうより風呂敷は実用品だけに人の心が気になります。

そういうたら桜はええですなぁ。“桜のように潔く散るべし”やなんていわれた時代もありますけど、やっぱり春を彩る花です。けど、散ってしもたら見向きもされへん桜です。そやそや、「梅こそ春を知る」てむかし書いたことあります。そうや、梅にしよか。

人の心てほんま面白いです。

日々堪忍 其の八

2010
22

中島 宗晧

節分は季節の扉です。春がすぐそこで待ったはります。どっか行きたくなります。
春の節分は豆まきして迎えますけど、巻き寿司を、それも太巻きを切らんと丸ごと食べる“恵方巻き”は、なんか知りませんけど縁起ええみたいです。太巻きは福をようさん巻くもん。切らんで食べるんは“縁が切れへん”やなんて、ちょっとしゃれてます。
けど、“恵方巻き”、東京来た頃は売ってへんかったはずです。
水菜や九条ねぎなんか“お取り寄せ”してました。そういうたら、むかし小さいとき、旬のもの、初物食べるとき東の方向いて、あははは、いうて笑いながら食べたことあります。これ、お行儀悪いと思はりますか?
何でも意味性ばっかり追っかけてたら本質的なもん見えんような気がしますけど、お行儀のええ人ていたはりますか?自分ら歩いて行く道ちゃんと照らしてくれはるような人。
そやそや、コーラも瓶ごと口つけて飲んだら怒られました。昔の駅弁のお茶、知ったはりますか?  ちゃんとキャップがお湯飲みになってましたえ。

日々堪忍 其の七

2010
14

中島 宗晧

大晦日から元旦にかけて、特に日本海側は猛吹雪で大荒れみたいでした。そんな中、東京は穏やかな晴天。おせち料理の「棒だら」を探しに銀座のデパ地下をウロウロ。  あかん・・・ない。あるにはあるけど、なんでそんな高いの?
つい一週間前はクリスマスで賑わってた街。そんな人らが一週間後には初詣やなんて、おかしな国になってしまいました。ハロウィンなんかも年中行事になりつつあります。
元旦のご来光。ほんまやったら有り難く拝まなあかんのですけど、そんな気になれませんでした。そやけど、夜のお月さんは、ほんま最高でした。    あぁ、やっぱりこれや。何に納得したんかは別に、ほっとしました。

日々堪忍 其の六

2009
123

中島 宗晧

博多での展覧会はおかげさんで盛況でした。それより、長谷川法世原作「博多っ子純情」のマンガが映画化されたのは30年くらい前やろか、その漫画にも登場したらしいですけど、福岡出身のバンド、チューリップの「博多っ子純情」の歌詞は名作やとあらためて思いました。

「いつか君 行くといい 博多には夢がある できるなら夏がいい 祭りは山笠・・・」もう遠い昔に聴いた曲ですけど、現地に滞在してますと「なるほど」と思いました。そういうたら、かぐや姫の「加茂の流れに」なんかも好きですけど、京都人やから感動が薄いと思います。あきません。博多に打ちのめされました。銀座展が来週から始まります。文化は人です。博多の人に思い知らされました。

日々堪忍 其の五

2009
112

中島 宗晧

先日、中国は揚州に行ってきました。日中韓の文化交流(仏教フォーラム)について行きましたけど、とにかく食べ物は美味しかったです。ほんまにおおきにどした。

それにしても東アジアの文化は、これまでアメリカの実用主義、イギリスの功利主義、それにフランスの個人主義といった影響を無比判に受け入れてきました。そのせいか、個人の自由や人権が過剰に強調されて、自己抑制と同時に世界に対する各民族の主張や理想が失われてます。

それだけに、「わが日本は、」とまでは偉そうに言えませんけど、例えば東アジアの多くの美術や工藝が、わが日本の模範となって君臨してきた歴史は永く、その美を産んだ、その数々の作品の向こうにある多くの民族に対して、深い理解と敬愛の念を置き去りにしてきたいう反省があります。これ、少なくともわたし自身にです。

真の国際化とは互いの認許によって形づくられるものですけど、尊敬される日本を創ることが私達の使命と違いますやろか。今月の23日から博多で展覧会します。作品のこっち側にある意気込みだけは負けてません。

日々堪忍 其の四

2009
101

中島 宗晧

気がついたら秋でした。

今年は、牛の歩みも千里とばかりに、十一月の展覧会、それに、毎年某月刊誌に出してる干支の作品まで作ってましたから、春も、夏も、背中の方で通り過ぎてしまいました。そしたら、とうとう猫背になってしもて。

そやそや、十二支に猫が入ってない理由をご存知でしょうか?
むかしむかし、神さまが「元日の朝一番に挨拶に来たものから順番に、その年の大将にしてやろ」いうて、動物たちにおふれを出したそうです。元日になるのを我こそはと待っていた動物の中で、猫だけはネズミにだまされて二日の朝やと思い込んでたそうです。またそのネズミもぬけぬけと、一番になる寸前やった牛の背中に乗ってたそうです。

そういうたら、猫は今でもそのことを根に持って目の色変えてネズミ追いかけ回してますけど、そろそろ堪忍してほしいと思います。来年は、地球最大の猫科肉食獣の虎の出番ですから、ネズミ年のわたしとしては、何としてでも平安に過ごしたいわけです。

来年のカレンダーが既に店頭に並んでます。せわしない毎日ですけど、せっかくの季節見逃したらあきません。

中島宗晧

2010年の京都カレンダーの一覧

日々堪忍 其の三

2009
92

中島 宗晧

季節は秋ですけど暑い日が続きます。この夏は修復が終わった本願寺さんの取材で、ちょうど祇園祭のときに帰ってきてました。いつもはテレビから流れる祇園囃子に反応してましたけど、京都離れてもう10年になります。それより、本願寺さんで暑さ忘れて見入ってたんは漆黒の床です。漆は一気に塗らなあかんのですけど、その辺の苦労や職人技に驚くというよりも、当たり前に綺麗なところがすごかったわけです。まあ恐れ入りました。

そういうたら、朝一番に東京に戻らなあかんかって、早起きして烏丸通りを四条から京都駅に向こてましたら、あちこちにゴミが落ちてて、まあびっくりするぐらい汚い街でした。ご近所の人やろか、黙々と掃除してはって、ほんまに頭下がりました。広告入りのうちわもええですけど、配るのゴミ袋にしやはったらどないですやろ。当たり前に修復することて、いつも黒子さんの仕事みたいです。

日々堪忍 其の二

2009
81

中島 宗晧

日本の科学技術は、それまでの時代を超えた破壊的な創造で発展してきましたが、藝術は伝統的な時代の創造が行われてきました。日本の文化産業が発展した原動力は、やっぱり日本の風土と歴史によって培われた審美眼、それに国際的な視野の下でさらに広がった独創的な表現力やと思てます。昔のように藝術が日本の文化産業や地域の活性化、それに郷土意識の高揚に繋がるような「こと」考え出さなあきません。

けど、何度もいいますけど本質は藝術その「もの」です。わたしは藝術に関係してる人間ですから、いろいろ日々悩んでます。わたしに何か出来る「こと」ないやろかなんて思てません。みんなで力合わせていう昔ながらの分業(これがほんまのデザインです。)で、京都の伝統と創造やって行きましょいうことです。前ばっかり向いてんと、昔のやり方に学びたい思てます。とうに遺産になってしもた京都ブランド、わたしらで資産にします。

日々堪忍 其の一

2009
710

中島 宗晧

最近ですけど、“再創造”いう言葉がよう耳に入ってきます。ある「もの」を元にして新しい別の「もの」創造することやと思いますけど、そういうたら肝心の創造自体はもう終わったんでしょうか。

確かに、藝術ではオリジナルとは違う別の世界を生み出して、それが却ってオリジナルの存在を世に知らしめることもあります。けど、ここでいうてる“藝術”は、近代日本が無批判に受け入れた西欧思想のいうゲイジュツの世界です。それよりも今の時代を語る傑作がどれだけあるかです。そろそろ物事の整理せなあきません。それもちゃんと「もの」と「こと」に分けてです。日本の藝術、ほっといたら無国籍になってしまいます。

再美京都

2009
619

中島 宗晧

京都は日本の美と心の都でした。

京都は今、その永い歴史と伝統を上手く活かしきれていないような気がします。

再び京都が、本来の文化創造の地として今を生きるためにも、

皆様の心粋(こころいき)を結集し、京都デザインを推進したいと思います。

染のことなら、創業享保十八年 田中直染料店

九つの音色
お仏壇のはせがわ

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