藤永覚耶「とどまり ゆらめく keeping : moving」展

藤永覚耶「とどまり ゆらめく keeping : moving」展

2012 7 31 8 12

Gallery PARCでは、2012年7月31日(火)から8月12日(日)まで、「とどまり ゆらめく keeping : moving 藤永 覚耶 展」を開催いたします。

2006年に京都嵯峨芸術大学版画分野を卒業した藤永覚耶(ふじなが・かくや / 滋賀・1983~)は、2008年に愛知県立芸術大学大学院美術研究科油画専攻を修了以降、これまでおもに愛知を中心に定期的な発表を続けています。

藤永作品の特徴は、まずモチーフ(近年では森や植物)を写真により撮影し、その図像をもとに、布地にアルコール染料インクを用いて点描し、最後に溶剤でその図像を溶かすというプロセスにあります。
それは、一見すると「写真をボカす=写真の持つリアリティを鈍くしていく」行為と呼べるものであり、作品画面には不明瞭で抽象的なイメージが出現しています。
しかし、藤永は「写真のピントが鮮明に合った箇所よりも、ボケやブレにリアリティを感じる。それは再現的なリアリティではなく、個人の先入観や価値観をぬぐい去った等価な世界に立ち戻るような真実味を持った感覚である」として、そのボケたイメージにリアルではなく「真実味」を見いだすと言います。

私たちの目に見える世界は、常に時間が流れ、その時々の光量や目の焦点によって、色・形といった知覚・認識すら不確かな「うつろい」の中にあるといえます。その一瞬を切り取り、すべてに焦点があった写真は、本来は知覚し得なかった世界の「イメージ」であるとともに、私たちはそのイメージから擬似的なリアリティを再現・変換しているといえるのではないでしょうか。
等価の点(情報)の集合である写真を、目と手によって点(図)に置き換え、溶かすことであらわれたボケた図像は、写真の持つリアリティやドキュメント性、作家の意図や意識、見る者の主観や想像など、私たちの知覚や認識を超えた世界の「ありのままの姿」を留めているのかもしれません。

これまでおもに愛知を中心に活動してきた藤永にとって、京都での初個展となる本展では平面作品を中心に構成し、その魅力を紹介いたします。
また会期の8月5日(日)には、平田剛志(美術批評、京都国立近代美術館研究補佐員)氏を聞き手に迎えたアーティストトークを開催し、スライドを交えた自作解説とともに、今後の作品展開についてのお話をうかがいます。

プレイス
日程・時間
2012 7 31 8 12
11:00~19:00 *最終日18:00まで・月曜休廊
料金
無料
会場・開催場所
Gallery PARC[グランマーブル ギャラリー・パルク]
公式webサイト・ページ
http://www.galleryparc.com
お問い合わせ
Tel・Fax:075-231-0706
Mail:info@galleryparc.com
交通アクセス
阪急河原町駅より徒歩10分 /
京阪三条駅より徒歩10分/
地下鉄東西線京都市役所前駅より徒歩3分

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