特別展探訪「ホイッスラー展」京都国立近代美術館 ~平成26年11月16日
京都駅から岡崎へ
京都駅からバスに飛び乗り、秋の暖かい日差しを浴びながらうとうと・・・。
そして降りたらもう目の前。まさにドアtoドアで、美しい異空間につながります。
自画像にこめた思い
ジェームズ・マクイール・ホイッスラー。アメリカの19世紀後半を生きた画家であり版画家です。耽美主義の代表的画家と言われ、また日本美術の影響も強く受けたそうです。
長い創作活動の中で、行き詰ることもあったらしい。「ライム・リジスの小さなバラ」。画家として悩んでいた時期、ある市長の娘を描いた作品です。
子ども、とくに女の子のまっすぐな眼差しに何かを気づかされることって、よくあることなのかもしれません。この美少女の大きな瞳にも、どこか自分を見透かされているようで、ドキッとズキッとして立ちすくんでしまったほどです。
ホイッスラーは、写真でうかがえるように、結構すらっとして紳士的な雰囲気の持ち主です。さまざまな絵画をぐるぐる回っていると、女性を中心とする控えめで端正な人物画が続く中で、明らかに「浮いた」絵を発見。近寄ってみると・・・「自画像」。まさか!
子供の頃、図画工作の時間に鏡を見ながら自分の顔を描けと言われて、せめて自分の顔くらいは、多少美化してでもきれいに仕上げようとがんばったけど、異常に歪んで老けて仕上がったなぁ・・・。思わず20年前の記憶が蘇るほどの衝撃です。
ホイッスラーが一体どのような思いでこれを「仕上げた」のかは分かりません。でも、この「歪み」には何か思いが込められているはず。そうでなければ、他人の顔は何度も「練習」しているにもかかわらず、自分のだけをこんな結果で残すはずがないと思うのです。
真実は本人のみが知る。でもその「形」である絵画は、たしかに息吹を持ち、後世に一生懸命何かを訴えているような気がします。
期間:~平成26年11月16日
時間:午前9時30分~午後5時(入館は~午後4時30分)
休館日:月曜日(祝日・振替休日の場合は翌日)
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