妙心寺ぶらり半日コース

大法院(だいほういん)①

特別公開されていた妙心寺大法院に行ってきました。通常は非公開ですが、春と秋の一定期間だけ公開しています。

大法院は信州の松代藩主であった真田信之(真田幸村の兄)の菩提寺です。信之の遺命で、孫娘である長姫が淡道宗廉を開祖として寛文2年に創建したと言われています。

大法院②「露地庭園」

大法院の見どころは、客殿を囲むようにして広がる庭です。この庭は「露地庭園」といわれ、茶室に付随する庭のことで幽玄の趣を醸し出す演出となっています。

大法院③

「露地庭園」は茶道と深く関わって造られていますが、お茶をたしなむ人だけでなくこの庭園を通じて、わびさびの世界や禅の心に触れてもらおうという思いもあるそうです。

たしかに茶道には難しいイメージがありますが、この庭の景色を見ると紅葉の彩色も合わさって本当に温かい落ち着いた気持ちになりました。

大法院④「且坐喫茶」

大法院に「且坐喫茶」という言葉がありましたが、「まあ、座って一杯お茶でも一服召し上がれ」という意味の禅の言葉だそうです。その言葉どおりにお抹茶とお菓子を頂き庭を眺めることができます。

大法院には他にも兵法学者である佐久間象山の墓石などもあります。

普段は非公開ですが公開時は是非「露地庭園」に赴いて、わびさびの世界を感じてみてください。

退蔵院(たいぞういん)①

退蔵院は600年以上前に建立されたそうです。境内には本堂を取り囲むように枯山水の庭が作庭された「元信の庭」から、有名な枝垂桜までたくさんの自然があります。

退蔵院②「余香苑」

退蔵院には国宝の「瓢鮎図」を見ることができます。これは小さな瓢箪で大きななまずをいかに捕えるかという禅の問題で、図上には京都五山の高僧31人の回答が書かれています。

国宝を見たのちに四季により景色が全く違う池泉回遊式庭園「余香苑(よこうえん)」を歩くことができ、茶席も用意されているので休憩するにも色彩を眺めるにも適した空間です。

桂春院①(けいしゅんいん)

大法院と同じく妙心寺塔頭寺院の一つである桂春院は、慶長3年に織田信忠(織田信長の長男)の次男である津田秀則により創建されました。

こちらは通年公開されているので、普段でも見に行くことができます。入り口で可愛い猫の姿も見つけ、慣れた様子で周辺を散歩していました。

桂春院②「侘の庭」

桂春院が有する庭はいくつかあり、それぞれに異なった意味が付けられています。
「侘の庭」は既白庵茶室に通ずる露地庭園(茶道に付随する庭)で、狭い面積を無駄なく空間を利用しています。

桂春院③「真如の庭」

一番大きい「真如の庭」は、方丈南側の崖をつつじや楓が生い茂り、地面は杉苔に一面覆われて小さい庭石が並んでいます。

座って見るだけでも素晴らしいのですが、その庭を歩くことができます。実際に歩いてみると日の当たりの違いによる景色の変わり方を実感することができます。

今回は特別公開を含めた3つの塔頭寺院と法堂や仏殿に行きましたが、だいたい半日ほどで回ることができました。
他にも季節により公開される塔頭寺院があるので、季節ごとに足を運んでみるのもいいですね。

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