つじもとけい事務所主催、ダンス公演『渠＃京都』
2021年11月26日(金)～28日(日)の三日間で京都芸術センター（京都市中京区）にて。
『渠＃京都』は京都の歴史的建造物の痕跡から肉体労働の持つ身体性を採取し、従来のダンス的運動を排除したダンス作品として昇華します。
　
柔道で全国大会出場という異色の経歴を持つアーティスト・辻本佳は、跳躍、回転、リズムへの同調というダンス的要素を排し、「運動」「場所」「音声」の模倣を行い、これら３つの要素を複合的に扱うことで振付を行います。ある地域の地形や構造物が持つ、窪みや擦過、劣化を観察し、いつ作られたか、どのような機能を期待されたか、何でできているか、どのような過程で現在の状態になっているかについて、歴史的資料や、地学的資料、住民への調査を行い、自然物、音、写真、身体感覚を記録収集する。これらのフィールドワークを行い作品制作の土台としています。
　
このように、調査を行うことで発見される日本の各地域のもつ歴史的、地理的、身体的空間を模倣すること、「空間的、生物的ニッチの収集」と「場所と空間の模倣による身体への経験の蓄積」をキーワードとし、収集と模倣の繰り返しにより調査対象への理解をより深めるとともに、これらの経験を繰り返すことで、新たなダンス・振付方法を提案します。