行き交う小舟
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嵐山花灯路というと、対岸にわたって輝く渡月橋と嵐山が色とりどりに染まる、華やかな風景に目を奪われがちですが、舟乗り場の方に歩いていって、真っ正面から山と向き合うと、また違った風景に出会えます。 正面から見上げる嵐山は、逆光のためにやや光を失って、あまりきらびやかでなく、そのかわりに、周囲の一層深まった闇や、静かな水面とのコントラストに、森閑とした、神々しいような気配を感じます。 夜も深まって人もまばらな桂川ぞいを歩いていると、すぐそばで車夫の人の声が聞こえてきます。 「嵐山は、平安時代の貴族たちの別荘地で、紅葉の季節、強い風が吹いて一面に紅葉を吹き散らす様子を見て、嵐の山と名付けられたと言われています…」 桂川の、濃紺の音のない水面にほとんどさざ波も立てずに、白と黒の小舟が行き交うと、能舞台のような幽玄な空気が流れて、われあらず魔の山、という言葉が脳裏に浮かんできました。
- 嵐山
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