初夏の青モミジ「法然院」

鹿ケ谷 法然院

平安時代初期の天台宗の高僧・円珍がこの地で道に迷った時、一頭の鹿が現われ円珍を導いたとの伝承がその名の由来といわれる左京区鹿ケ谷。

鹿ケ谷は鎌倉時代初期に、浄土宗の開祖・法然上人が弟子の安楽・住蓮らとともに、念佛三昧の別行を修し、六時礼讃を唱えられた地でもあります。

哲学の道からほど近い鹿ケ谷御所ノ段町には、法然上人を偲んで江戸時代初期に創建された茅葺屋根の三門を持つ善気山法然院萬無教寺(ぜんきさんほうねんいんまんむきょうじ)があります。

白砂壇

趣のある茅葺屋根の三門を抜けると、本堂へと続く参道の両側に白砂壇(びゃくさだん)という白い盛り砂があります。

水を表わすこの砂壇の間を通ることは、心身を清めて浄域に入ることを意味しているそうです。

砂壇の上には季節に合わせて、波や花、文字などの紋様が描かれています。

白壁と青モミジ

白砂壇の先の右(東側)には、江戸時代(元禄七年)に建てられた大浴室を改装した白壁が美しい講堂があります。

白砂壇の先の左(西側)には、同じく江戸時代(元文二年)建てられた経典の版木を納める経蔵があります。

初夏の雨があがった後の境内では、青モミジが堂宇の白壁と相まって見惚れるほどの美しさを醸し出しています。

法然院は非公開寺院ですが、本堂前までの参道は午前六時から午後四時まで開放されています。

方丈と方丈庭園は、四月と十一月に特別公開されます。

アクセス

JR京都駅からは市バス5系統に乗って「浄土寺」で降りると東に歩いて約10分、哲学の道より一本山際(東側)の通称「隠れ道」という道に面して石段が見えます。

四条河原町からは市バス32系統に乗って「南田町」で降りると東に歩いて約5分です。

鹿ケ谷周辺には有料の駐車場がいくつかありますが、休日や紅葉シーズンには混雑が予想されます。

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