建仁寺~茶会の源流ー四頭式茶礼の世界展他

茶会の源流ー四頭式茶礼の世界展

今年は建仁寺の開祖した栄西(ようさい)禅師の八百年大遠諱の年。その記念事業として、
四頭茶会に用いられる茶道具や卓などが大書院に初めて展示されていました。四頭茶会は
毎年4月20日に栄西禅師の降誕会に続き古式に法り行われる伝統の茶会。その茶会で
用いられる江戸期の天目茶碗や湯の瓶のほか、豪華な螺鈿が施された中国・明代の前卓や、香炉台、燭台などが展示。茶会同様、栄西禅師図、秋月等観の「龍虎図」の3幅の掛け軸もかけられいつもの大書院とは違う景色をみせていました。
臨済宗による禅の教えとともに茶を中国(宋)から日本にもたらした栄西禅師。当初は薬用とされた茶が、広く親しまれやがてそれを供する道具、作法や環境が日本の美意識や、精神性の極めに大きく影響を与えるようにも。ストイックな禅の名刹で古くより受け継がれた茶礼に用いられた道具には,時の移り変わりを超えて栄西禅師の教え-大哉心乎 (おおいなるかなしんや)が息づいていることを教えてくれました。
茶会の源流ー四頭式茶礼の世界展:2014年11月13日まで

小書院、茶のひと時

四頭式茶礼の世界展の催しとして、小書院で四頭茶会で実際用いられている油滴の天目茶碗で菓子付きのお茶をいただきました。お菓子は催しの記念のもので、建仁寺の寺宝であるかの「風神雷神図屏風」にちなんで「風雷」と名付けられ、味も美味。潮音庭を眺めながら和んだ午後のひと時を過ごすことができました。

記念のお菓子のモチーフとなったかの有名な俵屋宗達作「風神雷神図屏風」。展示は複製ですが、非常に精巧で現在の印刷技術と作業の苦労が伺えます。

「禅と武と画の生涯」~海北友松 モノクロームの美学~

建仁寺では10月24日より11月10日まで特別展として「禅と武と画の生涯」~海北友松 モノクロームの美学~
も開催。
「建仁寺方丈障壁画」=丈の檀那の間「山水図」、室中「竹林七賢図」、書院の間「花鳥図」、
礼の間「雲龍図」がデジタル複製でありますが、復元され間近で見ることができました。(*)
安国寺恵瓊が、荒廃した建仁寺を復興しようと自身の安国寺から方丈を移築したる際、
襖絵を新調、その制作を任されたのが海北友松。
(*オリジナルの障壁画は、昭和9年の台風で方丈が倒壊した際、襖絵から掛軸に改装された上、
現在は京都国立博物館に保管)武士の家の出らしい大胆かつ斬新な筆致と、減筆体と言われる、
余白を活かした墨の画面構成は枯山水の前庭とともなって、禅寺、建仁寺のモノクローム美を構成していました。

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