京都の庭園30選 〜嵐山方面~
宝厳院
臨済宗大本山天龍寺の塔頭寺院のひとつで、時代劇の撮影にも使用される見事な庭園と紅葉で有名な寺院です。
夢窓国師の法孫、策彦禅師の作といわれる「獅子吼(ししく)の庭」は、嵐山を借景とした回遊式庭園で、獅子型の岩やお釈迦様・文殊菩薩・普賢菩薩に例えた三尊石、鯉が滝を上る姿を描いた岩などがあります。
江戸時代の名所名園案内記「都林泉名勝図会」でも紹介された名庭で、とりわけ近年は紅葉の名所として人気が高く、獅子吼の庭の出口から壁沿いに続く、山門前のもみじのトンネルは紅葉の写真を撮影するベストスポットです。
通常は非公開の寺院で、春・秋に特別公開されます。
大河内山荘
昭和の名俳優大河内傳次郎が、自ら30年の歳月をかけて築いた6,000坪にも及ぶ広大な山荘庭園です。春は桜、秋は紅葉に包まれ、四季折々の美しさを堪能できます。
庭師「広瀬利兵衛」と共に造ったという庭園には、高峰秀子、金片岡千恵蔵、山田五十鈴、京マチ子といった、傳次郎の共演者たちが招かれているそうです。また、眼下に流れる保津川や京都市内の眺望も見どころ。国の文化財にも指定されています。
また、入場者にはお抹茶とお茶菓子のサービスがあります。
天龍寺
特別名勝の庭園は、足利尊氏が後醍醐天皇の菩提を弔うために、後嵯峨上皇の離宮、亀山殿の跡地に建立したのがはじまりです。嵐山を借景にした夢窓疎石の池泉回遊式庭園で曹源池の中には岩石を組んで渓谷と滝を表しています。「日本の庭に初めて深い思想性を持たせた」といわれる夢窓国師の作庭で亀山(小倉山)と嵐山を借景としており、春は桜、秋は紅葉と四季折々に楽しむことができます。
因みにこの庭園は、日本で一番最初に史跡・特別名勝に指定されました。
松尾大社
酒の神で名高く、境内には酒造業者が奉納した酒樽が山のように積まれています。亀の井とよばれる湧き水を元水に加え酒を醸造すれば腐らないという言い伝えもあります。
境内には重森三玲の最晩年の傑作庭園で、「松風苑」と呼ばれるそれぞれ趣の違った3つの庭があります。
「曲水の庭」は、王朝文化全盛の平安貴族が慣れ親しんだ、雅遊の場を表現したもので、御手洗川の清流が美しい曲線を描いて流れる様は、あでやかで気高い当時の空気を想像させます。
「上古の庭」は、巨木や岩など自然を神とした太古の昔を表現していて、野趣あふれる庭。「蓬莱の庭」は、回遊式庭園を取り入れたもので、不老不死の仙界にあこがれる蓬莱思想を表しているといわれています。
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