遍照寺

遍照寺 へんじょうじ

  • 広沢不動尊

989年、寛平法皇(宇多天皇)の孫、寛朝僧正が広沢池畔の山荘を改めて寺院にしたのが遍照寺の始まりです。
嵯峨富士と云われる端麗な遍照寺山を映す広沢池には金色の観世音菩薩を祀る観音島がありました。池畔には多宝塔、釣殿等、数々の堂宇が並ぶ広大な寺院でしたが、寛朝僧正没後次第に衰退。鎌倉時代、後宇多天皇により復興されましたが後に応仁の乱で廃墟と化しました。奇跡的に難を逃れた赤不動明王と十一面観音は草堂に移され、文政13年舜乗律師により復興されました。昭和に収蔵庫、護摩堂、平成9年には客殿、庫裡を建立し現容となりました。

2体の平安仏

戦乱を奇跡的に生きのびた本尊の「十一面観音菩薩立像」と、「赤不動明王坐像」はいずれも重要文化財に指定されています。
「十一面観音菩薩立像」は創建当初の頃に、名高い仏師・定朝の父または師とされる康尚(こうじょう)によって作られたと伝わる、ヒノキの一木造、像高120センチ余りの立像です。穏やかな表情と浅く掘られた衣紋の線が、柔和で和やかな雰囲気を醸し出す、優美な傑作です。
もう1体の「赤不動明王坐像」も康尚の作とされ、こちらも憤怒の表情のなかに優美さが漂います。実はこの像は、成田山新勝寺にある一木造りの不動明王像(成田不動尊)と同じ木から掘り出された、いわば一木二体の兄弟仏。「広沢の赤不動さん」として地元でも厚い信仰を集めており、毎年正月に行われるご祈祷には多くの信者が集まります。

灯籠流し

毎年8月16日催されるお盆の精霊送りの行事です。京都の夏の風物詩でもある「五山の送り火」の「鳥居形」の送り火が灯る中、広沢池一面に五色(赤・青・緑・黄・白)の流し灯籠が流され、幻想的な雰囲気となります。

所在地
〒616-8306
京都市右京区嵯峨広沢西裏町14
TEL
075-861-0413
FAX
075-861-0413
正式名
遍照寺
創建年
989年(平安時代中期)
山号
広沢山
宗派
真言宗御室派
本尊
十一面観音
開基
寛朝僧正
文化財
木造十一面観音立像・木造不動明王坐像(国・重要文化財) 遍照寺旧境内建物跡(市・史跡)
料金
500円
時間
9:00~16:00
※毎月28日休観
駐車場
有り(自家用車10台分、無料)
交通アクセス
JR「嵯峨嵐山駅」下車、徒歩約15分
阪急電車「嵐山駅」下車、タクシーで約10分
市バス「広沢御所ノ内町」下車、徒歩約4分
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