金色の夜明け

秋の日の夜明けは、夏の夜明けのような透明感や軽やかさはしだいに失われていきますが、その分、色彩感や光と闇の交差する時間のコントラストがぐんが深まって、芳醇で豊かな、独特の味わいがある気がします。 特に、夏と秋にしか見ることのできない、日がのぼる直前に空一面が金色に染まる瞬間は、重いグレーの闇を割るように不意に訪れます。 夜明けの金色が現れる直前のグレーの空は、その後現れるいくつもの色彩を予感しているように、真珠貝色の輝きを秘めて、どことなくあたたかみを帯びていて、木々が水面に落とす影の形は、ターナーの水彩画のようにおぼろで美しく、思わず時間を忘れて見とれてしまいます。
- 嵐山
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