
芭蕉ゆかりの草庵と枯山水の庭「金福寺」
投稿日 2014/07/29
創建は平安初期
左京区一乗寺才形町にある金福寺は、第三代天台座主の円仁(慈覚大師)の作といわれる聖観音菩薩をご本尊とする寺院です。
金福寺の創建は清和天皇の貞観六年といわれ本堂の南に広がる枯山水の庭の後方には、平安時代から変わることのない東山の峰を眺めることができます。
円仁(慈覚大師)の遺志を継いだ安恵(あんね)僧都が創建された当時の金福寺は天台宗の寺院でしたが、鎌倉時代から江戸時代初めまで荒廃していたこの寺を貞亨年間(1684年~1688年)に圓光寺の住職・鉄舟(てっしゅう)が再興したことから臨済宗南禅寺派の末寺となったそうです。

芭蕉庵
金福寺を再興したこの鉄舟和尚は俳人の松尾芭蕉と親交があり、芭蕉は京へ上るたびにここを訪れて鉄舟と語り合ったといわれています。
枯山水の庭の奥、木々に囲まれた高台には、当時の芭蕉が使っていたといわれる趣のある茅葺屋根の草庵「芭蕉庵」があります。
現在の芭蕉庵は、安永五年(1776年)に与謝蕪村と彼の一門が荒廃していた草庵を再興したものだそうです。
夏の青々とした木々に囲まれた金福寺も魅力的ですが、青モミジが紅葉に変わる季節にあらためて訪れてみたいと思わせる金福寺は、一乗寺から修学院にかけてのお薦めの寺院です。

アクセス
京都駅から市バス5系統に乗り「一乗寺下り松町」で降りると東に歩いて5分ほどの詩仙堂の手前を南に下がると住宅街の奥に金福寺の参道が見えてきます。
「一乗寺下り松町」へは市営地下鉄烏丸線の北大路駅から北8系統に乗っても行くことができます。

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