建仁寺 特別展 「四頭式茶礼の世界」

茶と建仁寺

建仁寺はお茶と深い関わりを持つ寺院です。
開山の栄西は宋から茶の種を持ち帰ったため「茶祖」といわれています。
禅の修行は眠らせないための修行ともいわれており、睡眠欲を高め、他の欲を断ち切ります。
栄西は禅の修行に茶を取り入れ、座禅を組む前に眠気覚ましの薬として茶を服す茶礼の儀式を行いました。
茶道はこの茶礼から派生したものです。
境内には茶の生垣があって、お茶とゆかりのあるお寺なんだと改めて実感します。
平成の茶苑で栽培されたお茶は、行事などで使われているそうです。

四頭茶礼

四頭茶礼は禅と共に栄西によって日本に伝えられた儀礼です。
茶の湯成立以前の喫茶形式で現在に伝わる茶道とは異なる点があります。
四頭茶礼では四人の正客(四頭)が八人の相伴客を連れてくるため、茶室ではなく方丈の広間で行われます。
四人の僧が、縁高に入った菓子と抹茶が入れられた天目茶碗を運び、各々の客の前でお点前を行います。
正客の前では胡跪(左立て膝)で、相伴客の前では立ったままでお茶を点てます。
会場では茶礼で使用される茶器や儀式の様子を撮影したパネルが展示されています。
栄西禅師が持ち帰ったこの茶礼が現在も受け継がれていることに建仁寺の歴史の深さを感じました。
他にも儀式で使用される栄西禅師と竜虎の掛け軸などが展示されていました。

お庭や展示を見終わって小書院でお茶とお菓子をいただくことができました。
お菓子は「風雷」という銘で、建仁寺ゆかりの「風神雷神図屏風」をモチーフにしています。
秋の行楽シーズンで祇園周辺は観光客でにぎわっていましたが、呈茶席は静かでゆったりとした時間を過ごすことができました。
潮音庭の楓はよく日の当たる上の方が赤くなり始めていました。
11月の下旬頃には見事な紅葉になることでしょう。

※当サイトに掲載の内容はすべて掲載時点での情報です。変更となる可能性がありますので、お出掛けの際は念の為事前にご確認ください。

京都貴船 川床料理 べにや