祇園祭 山鉾の美しさ
祇園祭は、三大祭の一つに数えられ、千年以上も続く京都の夏の伝統行事です。7月の一か月間に渡って行われる諸行事の中でも、「宵山」と「山鉾巡行」はそのハイライトです。なんといっても、一つひとつの山鉾が、ほんとうに美しく、心惹かれます。数十年ぶりに見た祇園祭で感じたもの、人であふれる歩行者専用道路になった四条通りの宵山も、目の前をゆっくり流れていく山鉾巡行もとてもいいけれど、宵々々山や宵々山で山鉾町を一つひとつゆっくり見て歩くのがとてもよかった。そして山鉾に巡行に携わる人たちを含めたすべての祇園祭がすばらしかった。山鉾で感じた美しさを少しだけ。
前懸、胴懸
山鉾を飾る前懸、胴懸や見送などは、インドや中国、ペルシャなどで作られたものも多くありとても鮮やかです。よく、こんなにきれいに保存され続けていると感心します。まさに動く美術館ですね。胴懸で揺れているのは囃子方の紐です。
傘鉾
傘の形をした鉾で、現在は綾傘鉾と四条傘鉾がある。細部にわたる細かい装飾がきれい。綾傘の内側、1枚1枚に「綾」の字が見られる。
船鉾
船鉾には金色に輝く鳳凰、大船鉾の舳先には龍頭が飾られ、とても荘厳です。大船鉾は、2014年から約150年ぶりに旧来の形に復興し、今年は舳先の龍頭も新調されたそうです。前祭の船鉾は「出陣船鉾」、後祭の大船鉾は「凱旋船鉾」とも言われ後祭の殿(しんがり)を務めている。
からくり
山鉾の中で唯一からくりで動く蟷螂がのっている蟷螂山。蟷螂が羽をひろげるところは、いつも歓声があがります。
宵山の駒形提灯
宵山には、すべての山鉾に、駒形提灯がつるされ、ほのかに浮かび上がる提灯のあかりが、宵山の気分を盛り上げてくれます。
お稚児さん
常に山鉾巡行の先頭に立つ長刀鉾。そこには、「生神」さまとしてのお稚児さんが乗っています。左右に二人の禿さんも乗っています。長刀鉾以外は、人形のお稚児さんが乗っています。また、綾傘鉾の行列にも紅い傘をさした6人のお稚児さんが参列しています。
辻廻し
巡行のハイライトの一つである辻廻し。重さ10~15トン屋根までの高さ約8メートル鉾先までは約25メートルにもなる鉾を90度回転させるのは、繊細で緻密、かつ豪快です。屋根に乗っている人は、バランスをとったり、電線や障害物にあたらないようにしています。昔は、障害になる電線は、巡行の間だけ切断していたそうです。
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