京都の庭園30選 〜大原方面~
三千院
天台宗五箇室門跡のひとつ。
境内の宸殿前に広がる苔の密生した杉木立の「有清園」に浮かぶように建つ往生極楽院には、国宝・阿弥陀三尊像が安置されています。
また客殿前には江戸初期に金森宗和が手掛けた「聚碧園(しゅうへきえん)」という刈り込みの美しい庭が広がり、桜や石楠花、紫陽花、紅葉、冬の降雪などが四季折々に美しい景色を見せてくれます。
苔庭の中から時折姿を見せるわらべ地蔵の微笑ましい姿に心癒され、思わずカメラを向けたくなるでしょう。
実光院
寂源上人が声明を伝承する為に建立した天台宗魚山大原寺勝林院の子院。
庭園は「契心園」といい、心字の池があり、滝組から落ちる律川の水が涼やかな音をたてています。秋の紅葉の頃より春まで咲く珍しい不断桜(ふだんざくら)が有名で、秋には紅葉と桜、冬になって雪が降れば、雪と桜が同時に楽しむことができます。
大原の山並みを借景とた開放的な雰囲気の庭で、福寿草、カタクリ、イカリ草などの春の花にはじまり、約120種の山野草が四季折々に花を咲かせ庭を飾ります。
宝泉院
仏教音楽「声明」の道場である勝林院の塔頭。
山門をくぐると樹齢700年の立派な五葉松が出迎えてくれます。五葉松は室内から額縁庭園として様々な角度から鑑賞することができ、その雄雄しく立派な姿に思わず目を奪われてしまうでしょう。
庭園の名は「盤桓園(ばんかんえん)」。立ち去りがたいという意味で、その名の通り、息を呑むような美しさは、いつまでも眺めていたくなります。水琴窟の音に耳を傾けながら、抹茶と茶菓子を楽しめむこともできます。
また、廊下の天井は伏見城の遺構で「血天井」としても有名です。
蓮華寺
江戸時代のはじめに加賀前田家の家老・今枝近義によって洛中からこの地に移された、蓮華寺。
再興の際には石川丈山、狩野探幽、木下順庵、黄檗の隠元禅師 木庵禅師など当時の著名文化人が協力したといわれています。
庭園には、種々の石造品があり、その中でも「蓮華寺形灯籠」と呼ばれる六角形の笠をつけた特徴的な石灯籠は江戸時代には茶人たちに好まれ、その庭園は茶席の庭によく使われた、と伝えられています。石川丈山作による池泉回遊式庭園も美しく、亀頭石、舟石が池に表情を与えています。
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