歩いて楽しむ三十三間堂界隈2

1001体もの観音像が祀られている三十三間堂をスタートして、バロック様式の本館が美しい京都国立博物館、庭園が美しい智積院、「狛猿」のいる新日吉神宮へ。
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164年(長寛2)鳥辺山麗(現、阿弥陀ヶ峯)の後白河上皇・院政庁「法住寺殿」の一画に平清盛が造進しました。約80年後に焼失してしまうのですが、すぐに1266年(文永3)に再建されました。その後、室町・桃山・江戸そして昭和と4度の大修理により700年間保存されています。長いお堂は和様の入母屋・本瓦葺きの「総檜造り」で約120m。正面の柱間が33あることから「三十三間堂」と呼ばれ、堂内には1001体もの観音像が祀られています。また見落としがちですが境内・南の通称「太閤塀」と呼ばれる築地塀と南大門は、ともに豊臣秀吉ゆかりの桃山期の気風にあふれた重文・建造物です。
三十三間堂・千手観音坐像・千体千手観音立像・二十八部衆がミシュラングリーンガイド三ツ星に選ばれています。徒歩 【約6分】
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大和大路通に面した正門から 噴水、ロダンの考える人 、本館と左右対称に配置されています。
バロック様式の本館正面には仏教守護の天部、毘首羯磨(びしゅかつま)、伎芸天(ぎげいてん)という美術建築、芸能の仏さまがギリシャ彫刻のような風貌で横たわり、玄関ホール、中央ホールのほか、大小10室の陳列室があり、平成26年(2014)の平成知新館が開館に伴い、明治古都館として年に数回、特別な展覧会が開催されています。
また京都国立博物館・多聞天立像・源頼朝像・平重盛像・紙本著色餓鬼草紙がミシュラングリーンガイドの三ツ星に選ばれています。徒歩 【約7分】
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智積院は、真言宗智山派総本山の寺院です。庭園は、利休好みの庭と伝えられ中国の盧山を形どって造られています。正面右側、石橋より奥の方は祥雲禅寺時代に造られたもので、桃山時代の特色である自然石のみを用い刈込を主体とし、また庭の外にある大木をも借り、深山の中にあるような奥行のある野性的な雄大さ勇壮さを感じさせてくれます。
また智積院には大小の障壁画などの国宝をはじめ、多くの宝物や高僧の著作など貴重な古文書が伝えられています。なかでも有名なのは長谷川等伯一門による「桜図」「楓図」をはじめとする数々の障壁画です。また、一風変わったところでは堂本印象によって描かれた「婦女喫茶図」など近代芸術の襖絵なども所蔵されています。
徒歩 【約8分】
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本堂脇の「狛猿」。文字通り、猿の姿をした神様のお使いで、「魔が去る」とか、「何よりも勝る」との語呂合わせがあるといわれ、信者の災禍を去るという不思議な働きをし、常に御幣を捧げて悪気を祓い、災厄を退けて幸福を授けてくれるそうです。
そんな御神猿は、なぜか金網に入れられています。“神の使いが盗まれてしまわないように”また、“猿たちが夜な夜な動き出すのを防ぐため”という理由があると伝えられています。
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