祇園祭山鉾

山鉾の豪華絢爛さ。美しい木工、金工、漆塗り、織物、刺繍、古今東西の名品。どの山鉾も、見飽きることなく眺めていられます。鉾立て、飾り立て、宵山、巡行、どんな場面もすばらしいです。前祭の山鉾について見どころをどうぞ。順番は、平成７年の前祭巡行順になっています。文の最後は、各山鉾のご利益です。

鉾頭に疫病邪悪を祓う大長刀を付けています。稚児の注連縄切りも注目ですが、コロナ後はものすごい人出でその場面を見学するのも大変です。厄除、疫病除。

新羅遠征の際、鮎を釣って戦勝の兆としたという説話に由来。ご神体は、右手に釣り竿、左手に釣り上げた鮎を持っている。なかなか鮎は見られないけど。安産。

京都の大火の際に霰が急に降って鎮火し、その時霰とともに降ってきた一寸二分の天神さまを祀ったことに由来。天神さまの鳥居が特徴的。火除、雷除。

八坂の塔がかつて傾いた際に法力によって直した山伏・浄蔵貴所に由来。山伏姿のご神体、右手に持つ大きな斧が特徴的。厄除、雷除。

中国の戦国時代に斉の孟嘗君が鶏の声により、函谷関を脱出できたという故事に由来。鉾頭に山型と月が光っている。厄除、疫病除。

古くから油小路通にある風早町に祀られていた天神さんを勧請したことに由来。朱鳥居奥の社殿に天神像が安置されている。厄除、学業成就。

鉾頭が金の鶏と金幣の古い形式の傘鉾。要所要所で先頭を行く棒振り囃子の踊りが見られ、拍手喝さいが沸き起こります。縁結び、安産。

車に惹かれそうなカマキリが鎌を振り上げて立ち向う「蟷螂の斧を以て隆車の隧を禦がんと欲す」という中国の故事に由来。からくり仕掛けで、カマキリが動くのがすごい。厄除、疫病除。

室町時代末期、千利休の師である茶人・武野紹鴎の大黒庵があり、その屋敷にあった菊水井に由来。鉾頭に金色透かし彫りの菊花が光っている。商売繁盛、不老長寿。

和泉式部のために紫宸殿の紅梅を手折る丹後守平井保昌の恋物語に由来。鎧をつけたご神体がたくさんの紅梅をもっている。縁結び。

中国の周時代に琴の名人伯牙が親友鍾子期の訃報に悲しんで、琴の弦を断ったという故事に由来。琴を前にしたご神体が、斧を持っている。厄除、疫病除。

唐の詩人白楽天が道林禅師に仏法の大意を問うた説話に由来。真松に腰かけた道林禅師の御神体と、立ち姿の白楽天の御神体。厄除、学問成就。

鉾頭に新月型（みかづき）を付けていることに由来。真木のなかほどに月読尊をまつっている。宵山、駒形提灯の「月」の字がいい。厄除、疫病除。

我が子を人にさらわれ、信濃伏屋の里で一人木賊を刈る翁を描いた謡曲に由来。ご神体は、左手に木賊、右手に鎌を持っている。木賊（トクサ）は、薬草、砥ぎに使う植物。迷子防止、再会。

傘の上に御幣、若松を飾った応仁の乱以前に起源を持つ古い形式の傘と棒ふりばやしが巡行。昭和６０年に再興された。招福、厄除。

聖徳太子を祀っていることに由来。四天王寺を建立する際、太子みずからが山の中に入って良材を求めたことから、この山だけは真木に松ではなく杉を立てている。知恵、学問成就、身代わり。

中国の堯の時代に天下がよく治まり、訴訟用の太鼓（諫鼓）に用がなくなり、苔が生えて鶏が宿ったという故事に由来。鉾頭が特徴的で、三角の中に鶏卵を象徴する金の円がつけられている。厄除、疫病除。

故あって妻と離れ、難波の浦で芦を刈る一人の老翁が三年振りに妻との再会を果たした謡曲に由来。ご神体は右手に鎌、左手に芦を持つ。夫婦和合、縁結び。

中国の史話二十四孝の一人である郭巨が貧しさから母と子を養うことができず、子を山に埋めようとして土の中から黄金の釜を掘り当てた故事に由来。郭巨と童のご神体。金運、開運。

中国の史話二十四孝の一人である孟宗が病身の母が欲しがった筍を真冬の雪の中から掘り当てたことに由来。ご神体は右手に雪をかぶった筍、左手には鋤を持っている。親孝行。

真木なかほどの天王座に放下僧の像を祀っていることに由来。鉾頭は、日・月・星から三光が出ている姿をあらわしている。厄除、疫病除。

天照大神が天の岩戸を開いて現れる日本神話に由来。「山」とついているが、室町時代の洛中洛外図屏風にはすでに車輪をつけた曳山になっており、鉾柱のかわりに真松を立てている。開運。

神功皇后の新羅遠征の際の出船に由来。前祭は出陣の船鉾と言われている。鉾全体を船のかたちにし、舳先には金色の鷁を飾っている。安産。