うすべに色の風

嵐山の、桂川のほとりに、毎年必ず見に行く、大好きな桜の樹があります。 背がそれほど高くない八重咲きの桜で、見上げると、淡いうすべに色の花びらが風に透けるようで、満開に咲きこぼれるこの樹の下に立つと今年もまた会えた、という喜びでいっぱいになります。 特に曇りの日や夕暮れ近くの薄暗い時間に見るこの花は、何かガラス細工のような繊細な素材で作られたもののように透き通っていて、華やかでありつつもはかなげな風情に、何だかとても切ない気分になります。
- 嵐山
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