京の四大五重塔めぐり

空高くそびえ立つ五重塔は、存在感があって目が引くと共に、その壮観さ、美しさに圧倒されます。
五重塔とは仏舎利を祀るために作られた仏塔で、五重の屋根を持つものです。外から見ると五階建てのように見えますが、内部は吹き抜け構造になっているので、上部の階層に上がることはできません。塔の中心には心柱という柱が建っており、塔の揺れや変形を抑制する役割も果たしています。昔の建造物でありながら、現代にも通じる耐震性など先人たちの知恵も感じることができます。
五重塔は京都府内には6カ所、市内に限ると4カ所にあります。
長年そこに建ち続けてきた歴史のロマンを感じながら、魅力あふれる五重塔をめぐります。

東寺

新幹線が京都駅に近づくと、まず目に飛び込んでくるのが、弘法大師・空海が開いた東寺に建つ五重塔です。その高さは約55mと19階建てのビル相当。木造の建築物としては日本一の高さを誇り、国宝にも指定されています。着工から完成まで50年もの歳月を費やし、落雷による火災などで何度も焼失再建を繰り返し、現在の塔は5代目にあたります。内部には、空海が唐より持ち帰った仏舎利が納められており、大日如来に見たてた心柱を中心に、周囲を如来や菩薩が取り囲む極彩色の密教空間が広がっています。通常、内部を見ることができませんが、春と秋に特別公開されています。

→東寺のスポット情報をみる

東寺

徒歩 徒歩 JR「京都」駅まで約15分

バス 市バス 「京都駅前」乗車〜「御室仁和寺」下車,すぐ

仁和寺

ユネスコの世界文化遺産に登録されている仁和寺の五重塔は、江戸時代前期1644年に建立され、高さは36m。五重塔の初層部から最上層まで屋根の大きさにあまり差が見られず、これが江戸時代に建てられた五重塔の特徴といわれています。
屋根を支える小さな鬼や南東の屋根瓦に置かれた龍の瓦など、仁和寺の五重塔独自の趣向を凝らした装飾も見どころの一つです。春の御室桜や新緑、紅葉など季節ごとに装いを変える周囲の自然との織り成す風景はとても美しく、地元では「御室の塔」と親しまれています。

→仁和寺のスポット情報をみる

仁和寺

徒歩 徒歩 京福電鉄「御室仁和寺」駅まで徒歩約3分

電車 京福電鉄 「御室仁和寺」駅乗車〜「帷子ノ辻」駅乗り換え〜「嵐電天神川」駅下車

電車 地下鉄東西線 「太秦天神川」駅乗車〜「醍醐」駅下車,徒歩約10分

醍醐寺

京都府に現存する最古の塔、醍醐寺の五重塔は200万坪以上の広々とした境内に堂々とそびえ立ちます。全体的に均整が取れた姿は国内屈指、「日本三名塔」の一つに称されており、国宝にも指定されています。951年に建立され、その後応仁の乱などの戦乱に遭い荒廃しますが、五重塔だけは難を逃れ、現在に至ります。醍醐寺の五重塔は、一番下の屋根が最も広く、上に行くにしたがって小さくなるのが特徴。内部には、両界曼陀羅や真言八祖を描いた壁画が残っており、貴重な平安絵画としてこちらも国宝に指定されています。

→醍醐寺のスポット情報をみる

醍醐寺

電車 地下鉄東西線 「醍醐」駅乗車〜「東山」駅下車

バス 市バス 「東山三条」乗車〜「清水道」下車,徒歩約5分

法観寺(八坂の塔)

清水寺に近い二寧坂と三年坂の中間に位置し、高さ46mのそびえる景観から「八坂の塔」の愛称で親しまれる東山のシンボル的存在です。592年に聖徳太子が建てたと伝わりますが、室町時代の応仁の乱で焼失。現在の五重塔は、1440年に6代将軍の足利義教(よしのり)によって再建されました。文化財指定を受けている五重塔の中で唯一、不定期ですが内部拝観することもできます。京都らしい街並みにその姿は浮かんで見え、観光客の定番撮影スポットにもなっています。ライトアップされた夜には、昼とは違う幻想的な光景へと一変します。

→法観寺(八坂の塔)のスポット情報をみる

法観寺(八坂の塔)

※当サイトに掲載の内容はすべて掲載時点での情報です。変更となる可能性がありますので、お出掛けの際は念の為事前にご確認ください。

京都貴船 川床料理 べにや