天龍寺 てんりゅうじ
- 霊亀山
- 天龍資聖禅寺
歴史
1339年(暦応2/延元4)8月に後醍醐天皇が崩御した後、その菩提を弔う寺院の建立を禅僧・夢窓疎石が足利尊氏に進言し、光厳上皇の院宣を受けて寺院が開創されました。天龍寺の地は、平安時代初期に嵯峨天皇の皇后橘嘉智子が創設した檀林寺の跡地で、約4世紀を経て檀林寺が廃絶した後、後嵯峨天皇が仙洞御所を造営し、その皇子である亀山天皇は離宮を営み、「亀山殿」と称しました。
「亀山」とは、天龍寺の西方、紅葉の名所として知られた小倉山の別称で、山の姿が亀の甲に似ていることからこの名がつきました。天龍寺の山号「霊亀山」もこれにちなんでいます。大覚寺統(後醍醐天皇の系統)の離宮であった亀山殿を寺に改めたのが天龍寺です。建設資金調達の為、元寇以来途絶えていた元との貿易を再開、天龍寺船という貿易船(寺社造営料唐船)が往来し、経済・文化の発展に貢献しました。1345年(康永4)秋、夢窓疎石を開山に迎えての落慶供養は、後醍醐天皇七回忌法要を兼ねて盛大に行われました。元々の寺域は、約33万㎡、現在の京福電鉄帷子ノ辻駅あたりにまで及ぶ広大なもので、渡月橋や嵐山も天龍寺の境内地であり、子院は150か寺を数えたと伝えられています。その後、度々の火災により創建当時の建物は失われてしまいました。1358年(延文3)雲居庵などを除いて焼失した為、春屋妙葩が再建し、1367年(貞治6)の火災後も妙葩が修復しました。1373年(応安6)にもまた炎上、翌年には再建を始めています。さらに1380年(康暦2)には公文書の多くが焼失する火災に遭い、1447年(文安4)、雲居庵を除いてことごとく焼失。1467年(応仁1)は、応仁の乱の戦火に巻き込まれて焼失と、実に6回も火災に遭いました。応仁の乱後、復興事業が進められますが、数度にわたる火災の被害は甚大で、1585年(天正13)に豊臣秀吉の寄進を受けるまで、復興はままならなかったようです。その後しばらくは安泰でしたが、江戸時代の1815年(文化12)にも焼失、さらに、幕末の1864年(元治1)7月蛤御門の変(禁門の変)で長州兵の陣所となり、兵火に巻き込まれて大打撃を受けてしまいました。
明治時代後半以降、復興事業も始まり、明治32年に法堂、大方丈、庫裡、大正13年に小方丈、昭和9年に多宝殿などが再建されました。尚、方丈の西側にある夢窓疎石作の庭園(特別名勝・史跡)に、わずかながら創建当初の面影が伺えます。方丈の北側には、宮内庁管理の亀山天皇陵と後嵯峨天皇陵があります。
見どころ
特別名勝の庭園は、足利尊氏が後醍醐天皇の菩提を弔うために、後嵯峨上皇の離宮、亀山殿の跡地に建立したのがはじまりです。嵐山を借景にした夢窓疎石の池泉回遊式庭園で曹源池の中には岩石を組んで渓谷と滝を表しています。「日本の庭に初めて深い思想性を持たせた」といわれる夢窓国師の作庭で亀山(小倉山)と嵐山を借景としており、春は桜、秋は紅葉と四季折々に楽しむことができます。
因みにこの庭園は、日本で一番最初に史跡・特別名勝に指定されました。
桜
嵐山を借景として山桜、枝垂桜、染井吉野、八重桜などが咲き誇ります。
庭園の奥にある多宝殿の周囲は一面の桜園です。
中でも特におすすめは、多宝殿前の枝垂桜です。
本数約200本
法堂の雲龍図
法堂天井に平成9年天龍寺開山夢窓国師650年遠諱記念事業として日本画家加山又造画伯により「雲龍図」が描かれました。普段は休日・祝日しか公開されません。
ミシュラングリーンガイド
【天龍寺】・【庭園】が一ツ星に選ばれています。
- 所在地
-
〒616-8385
京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68 - TEL
- 075-881-1235(8:30~17:30)
- 正式名
- 霊亀山 天龍資聖禅寺
- 創建年
- 1345年(康永4)
- 山号
- 霊亀山
- 宗派
- 臨済宗天龍寺派
- 本尊
- 釈迦如来
- 開基
- 足利尊氏、夢窓疎石(開山)
- 文化財
- 庭園(国・史跡、特別名勝) 絹本著色夢窓国師像・絹本著色観世音菩薩像ほか(国・重要文化財) 勅使門・中門・(府・重要文化財)
- 料金
- 庭園 (諸堂参拝の場合は300円追加)
高校生以上 500円
小中学生 300円
未就学児 無料
法堂「雲龍図」特別公開
一人 500円 - 時間
- 8:30~17:00(受付終了16:50)
- 駐車場
- 有り(100台、有料1,000円/1日)
- 交通アクセス
- 京福電車「嵐山」駅下車,徒歩約1分
阪急電車「嵐山」駅下車,徒歩約15分
市バス・京都バス「嵐山天龍寺前」下車,徒歩約1分 - 公式Webサイト
- https://www.tenryuji.com/
- 備考
- 法堂「雲龍図」公開日
土曜日・日曜日・祝日のみ
9:00~16:30(受付終了16:20)
※春の特別参拝・秋の特別参拝の期間は毎日
★ ミシュラングリーンガイド 一ツ星
※当サイトに掲載の内容はすべて掲載時点での情報です。変更となる可能性がありますので、お出掛けの際は念の為事前にご確認ください。