京の花暦

京の花暦

KYOTOdesign花暦見ごろ表

  • 前月
  • 初旬
  • 中旬
  • 下旬
  • 翌月
  • ウメモドキ
  • キキョウ
  • サガギク
  • シュウカイドウ
  • シュウメイギク
  • スイフヨウ
  • ススキ
  • ツワブキ
  • ハギ
  • フヨウ
  • ホトトギス
  • ムラサキシキブ

10月の花

梅擬(ウメモドキ)

9月中旬~1月下旬

梅擬といえば、本田正純。家康、秀忠と仕えたものの、失脚して幽閉されました。そして「日だまりを 恋しと思う うめもどき 日陰の赤を 見る人もなく」という歌を詠んだと伝えられています。山地の湿ったところに生え、高さは2~3メートルほど。葉が梅に似ています。花の時期は薄紫、実がなる時期は鮮やかな赤と、色の移り変わりにも心ひかれます。(文・よしかわまり)

主な名所

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梅擬(ウメモドキ)に関する和歌

  • つぶらなる 赤き実の照 る ウメモドキ さわやかにして 神無月ゆく

    鳥海昭子

桔梗(キキョウ)

6月初旬~10月下旬

五角形の愛らしい星型の花びらは、戦国武将明智光秀の紋としてよく知られています。また、安倍晴明が用いた五芒星が桔梗印と呼ばれていたことで、いまの晴明神社では神紋となっているそうです。実は自生株は絶滅が危惧されていますが、東福寺の天得院では、毎年6月から7月にかけ、桔梗が咲き乱れるお庭が見られます。秋の七草でもある桔梗を、静かなお庭でゆっくり拝見できるのは心落ち着きます。(文・よしかわまり)

主な名所

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桔梗(キキョウ)に関する和歌

  • 朝顔は 朝露負ひて 咲くといへど 夕影にこそ 咲きまさりけれ

    作者不詳

嵯峨菊(サガギク)

10月下旬~11月下旬

江戸菊や肥後菊と並ぶ日本を代表する古典菊の一つで、最も古い系統をひく古典菊として日本三大名菊とされています。京都の大沢池に自生していた菊を、大覚寺で品種改良を行い完成した品種群で、優雅で繊細なのが特徴です。嵯峨天皇の離宮の御殿から鑑賞しやすいように普通の菊よりやや高い約2mに仕立て上げられ、また花の数は下から七輪、五輪、三輪の「七五三」に剪定するのがいけばな嵯峨御流の基本とされています。

主な名所

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秋海棠(シュウカイドウ)

8月下旬~10月下旬

江戸時代初期に日本に持ち込まれ、栽培されるようになりました。貝原益軒の『大和本草』にも登場するほか、これまで多くの短歌や俳句に詠まれました。 つぼみが集まっている様子は、キャンディを連想させる愛らしさです。少し日陰の、湿気の多いところに見られ、京都では大原の三千院や寂光院などでたのしめます。(文・よしかわまり)

主な名所

秋海棠(シュウカイドウ)に関する和歌

  • くれなゐの 秋海棠の 露ふくみ なびく心は 告るものらずも

    伊藤左千夫

秋明菊(シュウメイギク)

9月中旬~10月下旬

秋明菊は、別名「貴船菊」とも言いますが、実は菊でなくアネモネの仲間です。古代に中国から伝来された帰化植物と言われており、近年は交配品種のためピンクだけでなく、様々な色のものがあります。花言葉は「淡い思い」「薄れていく愛情」などがあり、恋愛に関して移ろう恋心を表します。(文・中原流花)

主な名所

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秋明菊(シュウメイギク)に関する和歌

  • 貴船菊の 色も終りし きのふ今日 白より冷えし 雨となりたり

    斎藤史

酔芙蓉(スイフヨウ)

8月下旬~10月下旬

「酔う」という呼び名がつけられたのは、朝咲き始めた白い花びらが、だんだんとピンクに変わっていくためだそうです。そして夕方にはしぼんでしまいます。その儚さから、美しい女性のたとえにもなっていたのだとか。中国、台湾、日本が原産地。ちなみに、同じ響きですが「水芙蓉」とは蓮のことです。(文・よしかわまり)

主な名所

芒(ススキ)

10月初旬

お月見には欠かせない、日本の秋の代名詞のようなススキ。秋の七草の一つでもあります。夏から秋にかけて、長さ20〜30cm程度の十数本に分かれた花穂をつけ、花穂は赤色で、花が咲いた後に白い毛が生えた種子をつけて穂全体が白っぽくなるのが大きな特徴です。秋風に揺れる風流な姿は、万葉の時代よりたくさんの歌にも詠まれています。また、かつては屋根をふく材料としても重要であり、そのため、人里近くには必ず萱場(かやば)と呼ばれるススキの草原がありました。

主な名所

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芒(ススキ)に関する和歌

  • うづら鳴く 真野の入江の 浜風に 尾花波よる 秋の夕暮

    源俊頼

石蕗(ツワブキ)

10月初旬~11月下旬

晩秋から初冬にかけて、太い花茎の先に4〜5cmぐらいの菊に似た花を10輪位咲かせます。花の色は鮮やかな黄色で、葉はフキに似た濃い緑色で表面には光沢があります。日陰でも良く育ち、冬でも緑の葉が茂ることから、庭園で良く植えられる花です。岩の上など厳しい環境でもたくましく育つことから「石蕗」と書いてツワブキと読ませます。

主な名所

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石蕗(ツワブキ)に関する和歌

  • さびしらに 枝のことごと 葉は落ちし 李がしたの 石蕗の花

    長塚節

萩(ハギ)

8月下旬~10月初旬

萩は、日本各地に自生する花で、宮城野萩と山萩がその大半を占めます。枝垂れした茎に、赤い実がたくさんなります。秋の七草の一つとして、古くから日本人に愛されており、万葉集でも季語として使用されているものが多くあります。そんな萩の花言葉は、「内気」や「柔らかな心」というものです。なんとなく、お淑やかな女性を連想させますね(文・中原流花)。

主な名所

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萩(ハギ)に関する和歌

  • 真萩散る 庭の秋風 身にしみて 夕日のかげぞ かべに消えゆく

    源実朝

芙蓉(フヨウ)

8月下旬~10月下旬

芙蓉はアオイ科に属する花で、8月あたりに開花します。暖かな地方に自生しますので、日本ですと九州地方に特に自生しています。芙蓉の学名はMutabillisと言いますが、これは「変化しやすい」という意味を持っています。なぜこのよう名がついたのかというと、朝の咲き始めと昼、そして夕方に色を紅へと変化させるためです。「繊細な美」という意味から、儚げな美人を連想できるでしょう。(文・中原流花)

主な名所

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芙蓉(フヨウ)に関する和歌

  • かがやきは 尽きて閉じゆく 芙蓉花の 皺む花瓣に 色溜 りくる

    初井しづ枝

杜鵑草(ホトトギス)

10月中旬~10月下旬

ユリ科の多年草。秋、日陰の茂みの中にまぎれるように咲いています。百合を小さくしたような花にある斑点模様が、鳥のホトトギスの胸にある模様と似ていることから名付けられました。また、葉に油染みのような斑点が入るので、「油点草」とも呼ばれます。

主な名所

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紫式部(ムラサキシキブ)

9月下旬~12月下旬

名のように、実の薫るような紫色と女性的なイメージのごとく、淡い紫色に連なって咲く花も愛らしいです。もちろん『源氏物語』の作者にちなんで名づけられましたが、もとは「ムラサキシキミ」と呼ばれていたことも由来のひとつだとされています。紫色の実は3ミリほどで、鳥たちの好物でもあります。鑑賞しているとシャッターチャンスがたくさん訪れるかもしれません。(文・よしかわまり)

主な名所

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紫式部(ムラサキシキブ)に関する和歌

  • 玉紫 つづりし腕輪 よろこびて 紅葉山ゆく 愛し子幼く

京都貴船 川床料理 べにや