春の住まうところ
梅宮大社の神苑に入ると、とりどりの色に彩られた、とても美しい水鏡に出会うことができます。
たとえ木々の緑が少ない、冬の時期にも、ここに来れば、水面の青と木々の緑の織りなす、繊細な色あいに心がおどります。
ここでは、枯れ木の茶色や、芽吹きを控えた低木の赤紫色さえも、風景に調和して彩りを添えてくれているように思えます。
以前に、志村ふくみさんの「青孔雀」という作品を見た時、その淡い翡翠色と、そこに交わるように滲む、明るいすみれ色の織りなすリズミカルな色彩の交差に目を奪われました。
この庭園も、緑と紫という補色に近い色合いでありながら、二つが打ち消しあわないで、明るい青をはさんで二つが交差するところに、かえって明るい輝きを産み出していることに、不思議な気持ちになりました。
淡い緑と青の溶け合うこの光景を眺めていると、鳥が羽を広げて飛び立つところを見ているような、うきたつ思いに駆られます。
撮影場所
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