京の花暦

京の花暦

KYOTOdesign花暦見ごろ表

  • 前月
  • 初旬
  • 中旬
  • 下旬
  • 翌月
  • キキョウ
  • サルスベリ
  • シュウカイドウ
  • スイフヨウ
  • ハス
  • ハギ
  • フヨウ

8月の花

桔梗(キキョウ)

6月初旬~10月下旬

五角形の愛らしい星型の花びらは、戦国武将明智光秀の紋としてよく知られています。また、安倍晴明が用いた五芒星が桔梗印と呼ばれていたことで、いまの晴明神社では神紋となっているそうです。実は自生株は絶滅が危惧されていますが、東福寺の天得院では、毎年6月から7月にかけ、桔梗が咲き乱れるお庭が見られます。秋の七草でもある桔梗を、静かなお庭でゆっくり拝見できるのは心落ち着きます。(文・よしかわまり)

主な名所

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桔梗(キキョウ)に関する和歌

  • 朝顔は 朝露負ひて 咲くといへど 夕影にこそ 咲きまさりけれ

    作者不詳

百日紅(サルスベリ)

7月下旬~9月下旬

サルスベリは中国南部原産のミソハギ科の植物で、百日紅とも書きます。その由来は、中国の唐時代に宮廷に多く植えられていましたが、比較的長く咲いていたためと言われており、これにちなんだカップルの悲恋物語もあります。日本では江戸時代から親しまれている赤く鮮やかな花として人気があります。(文・中原流花)

主な名所

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百日紅(サルスベリ)に関する和歌

  • 足引の やまのかけぢの 猿滑り すべらかにても 世をわたらばや

    藤原為家

秋海棠(シュウカイドウ)

8月下旬~10月下旬

江戸時代初期に日本に持ち込まれ、栽培されるようになりました。貝原益軒の『大和本草』にも登場するほか、これまで多くの短歌や俳句に詠まれました。つぼみが集まっている様子は、キャンディを連想させる愛らしさです。少し日陰の、湿気の多いところに見られ、京都では大原の三千院や寂光院などでたのしめます。(文・よしかわまり)

主な名所

秋海棠(シュウカイドウ)に関する和歌

  • くれなゐの 秋海棠の 露ふくみ なびく心は 告るものらずも

    伊藤左千夫

酔芙蓉(スイフヨウ)

8月下旬~10月下旬

「酔う」という呼び名がつけられたのは、朝咲き始めた白い花びらが、だんだんとピンクに変わっていくためだそうです。そして夕方にはしぼんでしまいます。その儚さから、美しい女性のたとえにもなっていたのだとか。中国、台湾、日本が原産地。ちなみに、同じ響きですが「水芙蓉」とは蓮のことです。(文・よしかわまり)

主な名所

萩(ハギ)

8月下旬~10月初旬

萩は、日本各地に自生する花で、宮城野萩と山萩がその大半を占めます。枝垂れした茎に、赤い実がたくさんなります。秋の七草の一つとして、古くから日本人に愛されており、万葉集でも季語として使用されているものが多くあります。そんな萩の花言葉は、「内気」や「柔らかな心」というものです。なんとなく、お淑やかな女性を連想させますね(文・中原流花)。

主な名所

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萩(ハギ)に関する和歌

  • 真萩散る 庭の秋風 身にしみて 夕日のかげぞ かべに消えゆく

    源実朝

蓮(ハス)

7月初旬~8月中旬

泥水から葉と茎をに ょきっと出して、華麗に咲き誇るこの花。花托と呼ばれる穴が空いた部分が、まるで蜂の巣のように見えることから、「はちのす」が転訛して、「はす」という名前になったとのことです。不思議なことに、濁った泥水であればあるほどに、美しく大きく咲くのだとか。「人間も苦難を乗り越えてこその成長がある」という教えにも通じます。また、咲いてからわずか3日程度で、花びらが一枚ずつ散っていくことも、はかなさを感じさせるものです。古代中国では、物事に動じない冷静さ、沈着さを示す「君子の花」でもありました。大いなる矛盾を秘めているハス。さまざまな思いで眺める人も多いことでしょう。(文・よしかわまり)

主な名所

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蓮(ハス)に関する和歌

  • ひさかたの 雨も降らぬか 蓮葉に 溜まれる水の 玉に似たる見む

    作者不明

芙蓉(フヨウ)

8月下旬~10月下旬

芙蓉はアオイ科に属する花で、8月あたりに開花します。暖かな地方に自生しますので、日本ですと九州地方に特に自生しています。芙蓉の学名はMutabillisと言いますが、これは「変化しやすい」という意味を持っています。なぜこのよう名がついたのかというと、朝の咲き始めと昼、そして夕方に色を紅へと変化させるためです。「繊細な美」という意味から、儚げな美人を連想できるでしょう。(文・中原流花)

主な名所

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芙蓉(フヨウ)に関する和歌

  • かがやきは 尽きて閉じゆく 芙蓉花の 皺む花瓣に 色溜 りくる

    初井しづ枝

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