京の花暦
KYOTOdesign花暦見ごろ表
- 前月
- 初旬
- 中旬
- 下旬
- 翌月
- アジサイ
- キキョウ
- サラソウジュ
- サルスベリ
- スイレン
- ハス
- ハンゲショウ
7月の花
紫陽花(アジサイ)
6月初旬~7月中旬
紫陽花(アジサイ)に関する和歌
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言問はぬ木すらあぢさゐ諸弟(もろと)らが練りのむらとにあざむかれけり
大伴家持
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あぢさゐの八重咲くごとく弥(や)つ代にをいませ我が背子見つつ偲はむ
橘諸兄
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夏もなほ心はつきぬあぢさゐのよひらの露に月もすみけり
藤原俊成
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あぢさゐの下葉にすだく蛍をば四ひらの数の添ふかとぞ見る
藤原定家
桔梗(キキョウ)
6月初旬~10月下旬
五角形の愛らしい星型の花びらは、戦国武将明智光秀の紋としてよく知られています。また、安倍晴明が用いた五芒星が桔梗印と呼ばれていたことで、いまの晴明神社では神紋となっているそうです。実は自生株は絶滅が危惧されていますが、東福寺の天得院では、毎年6月から7月にかけ、桔梗が咲き乱れるお庭が見られます。秋の七草でもある桔梗を、静かなお庭でゆっくり拝見できるのは心落ち着きます。(文・よしかわまり)
主な名所
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桔梗(キキョウ)に関する和歌
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朝顔は 朝露負ひて 咲くといへど 夕影にこそ 咲きまさりけれ
作者不詳
沙羅双樹(サラソウジュ)
6月初旬~7月初旬
『平家物語』の「盛者必衰」の象徴の一つとして、一度は耳にしたことがあるサラソウジュ。この木は場合によっては30mほどにもなるほどどで、とても大きく、葉が茂った中に小さな白い花々が存在感を放ちます。仏教の教えを伝えるものとして、寺院でよく見られます。建仁寺塔頭の霊源院では、特別拝観期間において、色とりどりの甘茶の花が咲くのと同時に、このサラソウジュも愛でることができます。(文・よしかわまり)
主な名所
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沙羅双樹(サラソウジュ)に関する和歌
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沙羅双樹 しろき花ちる 夕風に 人の子おもふ 凡下のこころ
与謝野晶子
百日紅(サルスベリ)
7月下旬~9月下旬
サルスベリは中国南部原産のミソハギ科の植物で、百日紅とも書きます。その由来は、中国の唐時代に宮廷に多く植えられていましたが、比較的長く咲いていたためと言われており、これにちなんだカップルの悲恋物語もあります。日本では江戸時代から親しまれている赤く鮮やかな花として人気があります。(文・中原流花)
主な名所
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百日紅(サルスベリ)に関する和歌
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足引の やまのかけぢの 猿滑り すべらかにても 世をわたらばや
藤原為家
睡蓮(スイレン)
5月中旬~7月下旬
スイレンは水生植物で、日本では白いヒツジグサのみが自生しています。睡蓮という漢名は、このヒツジグサのことを指しています。これを改良したものをヒメスイセンといい、寒さにも強いので観賞用として育てるのも難しくはありません。花言葉は「純粋」と「潔白」で、上品な様子にぴったりです。(文・中原流花)
主な名所
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睡蓮(スイレン)に関する和歌
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睡蓮の 花さく水に ゐる魚の 緋のかげは 追憶に似てひらめけり
上田三四二
蓮(ハス)
7月初旬~8月中旬
泥水から葉と茎をに ょきっと出して、華麗に咲き誇るこの花。花托と呼ばれる穴が空いた部分が、まるで蜂の巣のように見えることから、「はちのす」が転訛して、「はす」という名前になったとのことです。不思議なことに、濁った泥水であればあるほどに、美しく大きく咲くのだとか。「人間も苦難を乗り越えてこその成長がある」という教えにも通じます。また、咲いてからわずか3日程度で、花びらが一枚ずつ散っていくことも、はかなさを感じさせるものです。古代中国では、物事に動じない冷静さ、沈着さを示す「君子の花」でもありました。大いなる矛盾を秘めているハス。さまざまな思いで眺める人も多いことでしょう。(文・よしかわまり)
主な名所
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蓮(ハス)に関する和歌
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ひさかたの 雨も降らぬか 蓮葉に 溜まれる水の 玉に似たる見む
作者不明
半夏生(ハンゲショウ)
6月初旬~7月初旬
「半化粧」とも書くように、葉が緑と白にちょうど半分くらい色分けされている6月から7月が見ごろの花です。なんといっても建仁寺塔頭両足院の庭園がおすすめ。特別拝観中は、緩急あるお庭を歩きつつ、緑と白のコントラストを間近で楽しめます。茶室で抹茶と菓子をいただきながら、鳥が池で羽を休めたり、トンボが飛び交うゆったりした時間を過ごせます。またこの植物にちなんだ「半夏生」は、雑節のひとつ。夏至から数えてちょうど10日ほど後で、梅雨の末期にあたります。農作業の上で重要なこの日までに、必ず田植えを終えておくことが言い伝えられています。(文・よしかわまり)
主な名所
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半夏生(ハンゲショウ)に関する和歌
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葉の白き 半夏生見んと 誘はれて 夏日傾く 古寺へ来ぬ
島田修二
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