京の花暦

京の花暦

KYOTOdesign花暦見ごろ表

  • 前月
  • 初旬
  • 中旬
  • 下旬
  • 翌月
  • アヤメ
  • カキツバタ
  • キリシマツツジ
  • サツキ
  • シャクナゲ
  • シャクヤク
  • スイレン
  • ツツジ
  • ハナショウブ
  • フジ
  • ボタン
  • ヤマブキ

5月の花

菖蒲(アヤメ)

5月下旬~6月中旬

ハナショウブや カキツバタとよく似ていますが、湿地ではなく乾いたところに咲きます。花は赤紫色で、「文目(あやめ)模様」と呼ばれるように、花びらの根元に黄色がかった模様があるのも特徴です。葉は香気が強く、昔から邪気を払うものとされ、五月五日の節句に、軒や車にさしたり、身に着けたりしたそうです。(文・よしかわまり)

主な名所

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菖蒲(アヤメ)に関する和歌

  • 五月雨の 空なつかしきたもとかな 軒のあやめの 香るしづくに

    慈円

  • ほととぎす 鳴くや五月のあやめぐさ あやめも知らぬ 恋もするかな

    よみ人知らず

杜若(カキツバタ)

5月初旬~6月初旬

鮮やかな青紫色は、昔は布を染めるのに使われたそうです。「書き付け花」が転じて、「かきつばた」とよばれるように。また、襲(かさね)の色目の呼び名でもあります。表は二藍(ふたあい)、裏は萌葱(もえぎ)の組み合わせは、いかにもカキツバタらしさが感じられます。『伊勢物語』の在原業平が詠んだ「からころも」の歌は有名ですが、『万葉集』にも大伴家持の カキツバタにちなんだ歌があります。「かきつばた 衣に摺り付け 大夫(ますらを)の 着襲(きそ)ひ猟(かり)する 月は来にけり」男性陣がカキツバタ色に染めた衣を来て、薬猟をする姿は、きっと美しかったことでしょう。(文・よしかわまり)

主な名所

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杜若(カキツバタ)に関する和歌

  • かきつばた 衣に摺り付け 大夫の 着襲ひ猟する 月は来にけり

    大伴家持

霧島躑躅(キリシマツツジ)

4月下旬~5月初旬

常緑低木で、4月から5月頃にかけ先端が3〜4cmほどの小ぶりの花を開花させます。花色は白、紅、紅紫、ピンクなどがあり、花の形も品種によって微妙に異なります。元禄つつじブームのときに庶民に人気があったのが霧島躑躅であり、江戸時代に日本中で栽培され、現在も町を歩けば普通に目にすることができます。

主な名所

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皐月(サツキ)

5月初旬~6月下旬

別名サツキツツジ。ツツジの仲間ですが、開花時期は一か月ほど遅れて5月から6月です。旧暦の「皐月」にあたるのでサツキツツジとも呼ばれます。花言葉は「節制」。よく知られる華やかな色形とは少し違ったイメージですが、これは本来、厳しい山肌を好んで自生するからだとか。市内でよく目にするものは園芸品で、「サ ツキ」とひとつとっても品種はさまざまだそうです。盆栽などで興味を持たれることも多く、京都のサツキめぐりも一興です。(文・よしかわまり)

主な名所

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皐月(サツキ)に関する和歌

  • 水伝ふ 磯の浦廻の 石上つつじ 茂く咲く道を またも見むかも

    よみ人知らず

石楠花(シャクナゲ)

4月中旬~5月下旬

石楠花は、迫力ある大きく豪華な花びらをつけることから「花木の女王」と呼ばれています。赤や白の花をつけるものが多かったのですが、品種改良が進み、現在は黄色やピンクなどの花をつけるものもあり、樹高や樹形も多様になっています。元々は高山の奥地にしか自生していなかったことから、石楠花は採取がしにくく、「高嶺の花」の由来になったほどです

主な名所

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石楠花(シャクナゲ)に関する和歌

  • 紫の 色にはさくな むさしのの 草のゆかりと 人もこそ見れ如覚

    如覚

芍薬(シャクヤク)

5月中旬~5月下旬

白やピンク、濃紅色の大輪の花が、すらりと伸びた茎の先端に花開き、華やかな香りを漂わせます。「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」という言葉の通り、芍薬は美人の代名詞とされています。日本には平安時代以前に漢方薬として渡来し、その後観賞用として多くの品種が生まれました。

主な名所

芍薬(シャクヤク)に関する和歌

  • みるかぎり 芍薬赤き 長白の 麓路ゆかば 暑くともよけん

    森鴎外

睡蓮(スイレン)

5月中旬~7月下旬

スイレンは水生植物で、日本では白いヒツジグサのみが自生しています。睡蓮という漢名は、このヒツジグサのことを指しています。これを改良したものをヒメスイセンといい、寒さにも強いので観賞用として育てるのも難しくはありません。花言葉は「純粋」と「潔白」で、上品な様子にぴったりです。(文・中原流花)

主な名所

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睡蓮(スイレン)に関する和歌

  • 睡蓮の 花さく水に ゐる魚の 緋のかげは 追憶に似てひらめけり

    上田三四二

躑躅(ツツジ)

4月下旬~5月中旬

古くは「万葉集」にも詠まれているなど古くから鑑賞用として親しまれ、江戸時代には庭園に植える植物として人気を博したことにより、園芸用の品種改良が進みました。桜の季節が終わった4月下旬~5月下旬頃、赤、ピンク、白色の花を咲かせ、日本で最も親しまれている花木の一つとして、公園や道路脇などにたくさん植えられています。

主な名所

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躑躅(ツツジ)に関する和歌

  • ぐわぐわと つづじひらけり 陽のもとに 押し出されゆく くれないの舌

    鈴木京子

花菖蒲(ハナショウブ)

5月下旬~6月下旬

赤紫の細い花びらに黄色のすじが入っているものがよく知られていますが、花の色や模様はさまざまにあります。江戸時代に栽培が全国的に広まり、いまでも多くのハナショウブの名所は数々。京都では平安神宮、梅宮大社、法金剛院などで見られます。(文・よしかわまり)

主な名所

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花菖蒲(ハナショウブ)に関する和歌

  • 五月雨に 浅沢沼の 花かつみ かつ見るままに 隠れゆくかな

    藤原顕仲

藤(フジ)

4月下旬~5月初旬

マメ科のつる性落葉低木で、4~6月に蝶のような形の小花を房状に垂れ下げ、幹の方から先端に向かって咲き進めます。この特性から、日差しよけのための藤棚仕立てにされることが多いです。また、「古事記」「万葉集」ほか「源氏物語」「枕草子」「平家物語」などにもその名前が見られ、古くから親しまれている植物です。

主な名所

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藤(フジ)に関する和歌

  • かくてこそ 見まくほしけれ 万代をかけて しのべる藤波の花

    醍醐天皇

牡丹(ボタン)

4月中旬~5月中旬

中国原産で、日本をはじめとしたアジア地域では、古くから「花の王様」と呼ばれて親しまれてきました。直径10〜20cmにもなるボリュームたっぷりのあでやかな花姿は、気品と風格を漂わせます。その姿は、美人の形容にたとえる「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」のことわざに使われるほど。

主な名所

牡丹(ボタン)に関する和歌

  • 夏木立 庭の野すぢの 石のうへに みちて色こき 深見草かな

    御水尾院

山吹(ヤマブキ)

4月中旬~5月中旬

花の直径は2~3cmと小さく、花びらは一重もしくは八重。オレンジ色に近い黄色い山吹色の花が咲き、「万葉集」にも詠まれるなど、たくさんの和歌にも詠まれてきたことから、山吹は春の季語とされています。また、江戸城を建築したことでも知られる太田道灌が、有名な歌人になるきっかけとなった逸話がよく知られています。

主な名所

山吹(ヤマブキ)に関する和歌

  • 駒とめて なほ水かはん 山吹の 花の露そふ 井手の玉川

    藤原俊成

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